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交通事故による後遺障害等級認定・損害賠償請求

弁護士法人 みお綜合法律事務所

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示談・裁判上の問題点1<「費用」について>

相手方と示談・裁判を行う場合の問題点についてご説明します。 ここでは主に、介護費用についての問題点を取り上げます。

症状固定をいつにするか

入院・治療を経て「症状固定()」にすると、(1)それまでの個室代(差額ベッド代)について自費負担となってしまいます。(2)さらに、病院から自宅介護を勧められます。
自宅介護になると、介護人員の確保・やりくり、住宅の改造(介護ベッドが入るスペースの確保)が必要となります。(3)そして、賠償金の支払いを受けるまで金銭的な負担(つまり、必要かつ十分な介護)を続けることができるかについて、見通しを立てなければなりません。自賠責の「後遺障害保険金」で示談または裁判まで、必要かつ十分な介護を続けられるか、難しい判断をしなければなりません。

※「症状固定」について
「これ以上の治療を続けても、症状の改善が見込めない」という状態になった場合を意味します。 症状固定に至ると、保険会社からの治療費の支払中止などの措置がとられます。

将来介護費用の問題 その1

◎介護者が仕事を辞めた場合の補償がない
ご家族のどなたかが、仕事を退職して介護に当たるというケースが多くなりますが、退職されたご家族の給与等の補償は、裁判上認められません。「近親者慰謝料」という形で認められますが、仕事を続けた場合に得られる金額に比べると、低額なのが現状です。
また、近親者が介護に当たった場合と、ヘルパー等のプロが当たった場合では、単価が大きく異なってきます。そのため、ご本人の生活の質を考慮した場合に、「近親者が仕事を辞めて介護に当たったほうが良いといえる点」そして「近親者が仕事を辞めないほうが、得られる金額が適正金額に近づく点」の相反する点について、どのように評価するかが問題となります。

将来介護費用の問題 その2

◎どこまで立証しなければならないのか?
「将来の介護費用が、どの程度必要になるのか?」という立証は、介護の内容や介護に当たられるご家族の年齢等により変わってきます。しかし、非常にきめ細かく主張・立証しなければ、適正な賠償ではなく、低廉な賠償にとどまってしまいます。例えば、体位交換にしても、どの体の部位を持って交換するか、そのときの介護者への負担について事細かに主張・立証する必要があります。場合によっては、ビデオ撮影により、1日の介護内容を立証する必要があります。

なお、上記のような理由から、ご相談の際には、 入念な聞き取りや身体的なテストを実施させていただきます。
質問事項とテストの内容は、多数の問題解決実績を持つ当事務所のノウハウを反映したものとなります。 一部の内容を公開していますので、ご相談の前にご確認ください。
さまざまな質問、テストを実施させていただきますが、ご回答の内容やテストの結果は、問題解決への方針決定や最終的な結論に影響しますので、ご理解・ご協力をお願します。
聞き取り内容チェックリスト 一部のみ公開しています

将来介護費用の問題 その3

◎カルテや介護記録の問題
裁判になった場合、保険会社が、カルテや介護記録の内容を引用して家族の介護負担が実際よりも相当に軽いと主張することがあります。
なぜ、被害者自身のことを記録したカルテや介護記録をもとにしているのに、このようなことが起こるのでしょうか。
それは、看護師や介護士が、ご本人ができないことを書くよりは、「こんなことができるようになった」などの回復を示す記載をする傾向があるからだと思われます。「できないこと」を記載するよりも、「できること」を記載したほうが、家族も喜ぶと思われているからです。
しかし、その結果、裁判になって、保険会社がカルテや介護記録を見た際に、被害者の現状よりも「あれもできるし、これもできる」ということになり、結果的に、実際よりも「家族の介護の負担は相当に軽いものである」という主張につながってしまうのです。
また、カルテや介護記録の記載は、担当する看護師や介護士によって記載内容にバラつきがあります。カルテや介護記録は正確に記録してもらう必要があります。
なお、カルテや介護記録は裁判になったときには、すでに出来上がってしまっているものですので、治療中から何か困ったことがあれば、主治医に相談されることをおすすめします。

自宅購入や住宅改造にかかる費用

◎どこまでが自宅購入・改築費用として認められるでしょうか
ご家族が被害者を自宅で介護する場合、介護用ベッドの設置や階段昇降機・フロアリフトなどを設置する必要があります。これに伴って、自宅を介護しやすい間取りやバリアフリー設計に改築する必要があります。
ただし、これらはあくまで介護を行うために必要な範囲で認められるものであって、この際に床暖房を追加したり、ベランダを設置したりするなど、必要以上の改築を行った場合は、改築費用として認められません。
また、自宅購入については、全額が損害として認定されることはなく、家族も便益を受ける程度で減額されてしまうのが現実です。
被害者のために最善の設備を設けたいというご家族の思いと、どこまでが損害として認められるかは慎重に判断しなければなりません。

介護用自動車の購入費

◎介護用自動車の購入費用はどこまで損害として認められるでしょうか
ご自宅で介護をされる場合は、車椅子のままで乗車が可能な介護用自動車を購入される方が多いと思います。このような介護用自動車の購入費についても損害として認められます。ただし、裁判所は、家族も便益を受けるとして5割ほどの減額を行うことがほとんどですので、全額が認められるわけではありません。
また、遷延性意識障害となった場合、寝たきりの方用の車椅子が必要となります。そして、寝たきりの方用の車椅子は、一般の車椅子よりも前後に長いために、通常の介護用自動車には乗せられないことがあります。そこで、通常よりも大型の介護用自動車が必要とな場合があります。
このような場合でも、必要性と価格の相当性が認められれば、損害として認められます。なお、介護用自動車を購入する際に、大型かつグレードの高い(サスペンションが最高クラス等)の介護用自動車を購入するケースが見られます。しかしながら、このような場合、「必要以上にグレードの高い自動車の購入である」として、損害として認められない場合があるので注意が必要です。
まずは介護用品を扱っている業者にきちんと見積りをしてもらうことをおすすめします。