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交通事故による後遺障害等級認定・損害賠償請求

弁護士法人 みお綜合法律事務所

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示談・裁判上の問題点2<その他の重要事項>

前章と同様に、相手方と示談・裁判を行う場合の問題点についてご説明します。ここでは、成年後見制度の申し立ての必要性と、保険会社による主張への対応について取り上げます。

成年後見の申し立てが必要になる

◎将来にわたり定期的に収支報告が課せられる
「遷延性意識障害」や「高次脳機能障害」といった、後遺障害等級1級や2級に該当する後遺障害を負っている場合、「成年後見」の申し立てをする必要があります。
なぜなら、上記の後遺障害の場合、法律においては「賠償金を請求する意思能力を欠いている」と判断される可能性が高く、被害者の代わりに「財産の入出金を管理する成年後見人」の選任を家庭裁判所に申立する必要があります。この場合の成年後見人は、弁護士等の専門家やご家族が就任します。
成年後見となった場合、家庭裁判所に年に1回、収支報告を行う必要があります。報告のため領収証が必要になりますし、被害者ご本人の資産は「ご本人のためにのみ」使用しなければならず、この点で資産が被害者ご本人の物か、そうでないかの割り振りについて、頭を悩まさなければなりません。

平均余命

◎「健常人より早く亡くなる」との保険会社の主張
裁判では、遷延性意識障害の被害者について「平均余命が短い」つまり、「健常人より早く死亡する可能性が高い」ため、多額の介護費用は必要ないという反論を保険会社が行う場合があります。これは、被害者やそのご家族の方には、まるで「介護をするだけ無駄」と言っているかのような発言で、介護者の努力を否定する、聞き捨てにできない主張です。実際、このような主張に打ちひしがれて、立腹されるご家族は多いのです。
しかし、上記の根拠となっているデータについては、問題が多いとの指摘があり、裁判の場で適切に反論・反証していく必要があります。裁判の場は、「証拠がすべての世界」ですから、相手の非情な主張を崩していかなければなりません。

生活費控除の問題点

◎「健常人より生活費がかからない」との保険会社の主張
生活費控除とは、簡単に言うと、食費や衣料費など、生きていて必要となる固定経費です。死亡事故の場合、生存していた場合に必要となる経費を差し引いて「逸失利益」を算定することになっています。
遷延性意識障害の場合、保険会社は、「衣料費などが通常人よりかからない」として、「その分を控除するべきである」と主張してくることがあります。しかし、「健常人より出費が小さい」と言えるのかは疑問があるところですし、ただでさえ逸失利益は中間利息控除によって、金額が小さくなることなどを考慮すると、保険会社の主張は「不当な主張」と言えるものであり、適切に反論する必要があります。